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メールマガジン No.1

2026年5月26日


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 今回は海外技術協力に対するCUDBASの潜在力についてお話を伺いました。

Q1. 海外の企業に対して行うコンサルティングとは、どのようなものですか?
 基本的には、日本で行う企業コンサルティングと同じです。 国内では主に製造業を対象に、企業内教育の仕組みづくりを支援してきました。 かつては「見て覚えろ」で通用した時代もありましたが、今の世代にはその手法は合いません。 そのため、CUDBASを使って企業が抱える課題を可視化し、能力マップをもとに人材育成計画を立てています。
 今回、フィリピンで炭を製造している企業に対して、同様のコンサルティングを実施する機会を得ました。 CUDBASを活用することで、組織の課題や必要な能力を明確にし、社員教育を計画的に進める仕組みづくりを支援しています。

Q2. 海外企業とのつながりは、どのように築かれているのですか?
 一社ずつ企業を訪問するのは非効率ですので、まず商工会議所に協力を依頼し、会員企業を集めてCUDBASの紹介セミナーを開催しました。 内容は、日本で実施しているCUDBASイントロダクションセミナーと同様で、CUDBASを用いた社員教育システム構築の事例を交えて紹介しました。 フィリピンでは、この2時間のセミナーに31社が参加しました。 その後の支援を希望するかどうかは、後日メールで返答をもらう形を取りました。今回コンサルティングの機会を得た企業は、決定権を持つ上層の職員が参加しており、その場で導入を決定してくださいました。

Q3. 海外でもCUDBASファシリテータを育成されているそうですね。
 はい。これまで多くのJICAプロジェクトに参加してきましたが、海外の職業訓練機関が日本のように企業支援を行うには、CUDBASを自在に使いこなせる人材の育成が不可欠です。 私は、現地のカウンターパートをあえて「弟子」と呼び、責任をもって育成しています。 「弟子」と呼ぶことで、自分自身に最後まで伴走する責任を課しているのです。 フィリピンのプロジェクトでは、職業訓練機関への支援から始まり、その中でCUDBASを活用しました。 そこで経験を積んだ「弟子」たちが、企業に対してCUDBASを用いたコンサルティングを行えるよう、育てています。 今回の企業コンサルティングにも彼らを同行させ、私の進め方を見せると同時に、担当できる部分は任せました。最終的には、彼ら自身が独り立ちできるように指導し、CUDBASがフィリピンで持続的に活用されることを目指しています。

■これらを伺って私は次のように感じました。
 久米さんのお話から、海外企業への支援においても、CUDBASを活用することで、企業自身が抱える課題を整理し、育成や改善の方向性を明確にできることを実感しました。 商工会議所を通じて複数の企業に働きかけ、意思決定者を巻き込みながら展開するアプローチは、効率的であると同時に、信頼関係を築くうえでも非常に有効だと感じました。 さらに、現地のファシリテータを「弟子」として育て、現場での実践を通じて自立を促す姿勢には、国際協力における真の人づくりの理念が表れていると思います。 CUDBASが現地の人々の手に渡り、自らの組織課題を分析し、改善へとつなげていく力として根づいていくことこそ、持続可能な支援の理想的な姿であると感じました。

(職業教育開発協会 理事)




 リレー討議は指定された討議者3名がメールで意見交換を行う形式とし、それぞれが自分の考えを整理しながら発言できる場をつくります。
 リレー討議のテーマは「CUDBAS的とは何か」です。まず1人の提起者が、自身のCUDBAS実践経験や他の参加者に確認したい点などを文章にまとめて提起します。それに対して、他の2人が討議者として賛否を含めた意見を述べ、3人で議論を深めながらCUDBASらしさを探求していきます。

(提起者:藤田)
 2026年3月7日に開催されたCUDBAS研究大会では、6名の発表者の貴重なCUDBAS実践をもとに、11名の参加者とCUDBASの成果と可能性について議論を行うことができました。後半プログラムでのパネルディスカッション「CUDBASに潜在する思いもよらない力」で語り合った「AI時代のCUDBAS」というテーマは、「CUDBAS的とは何か=人間らしさとは何か」という本質的な問いへと繋がりました。
 近年の生成AIの進化には目を見張るものがあります。してほしいことを入力するだけで、スライドや図式、イラストまで即座に生成してくれます。私もGoogle Geminiに相談すると、こちらの意図を汲んで肯定し、多角的な選択肢を提案してくれるその洗練された振る舞いに、驚きと同時に「人間はここまでラクをしていいのか」と危機感さえ覚えました。目覚ましく進化するAIとCUDBASが一緒に仕事し、あわよくば人間がラクできる方法がないだろうか、と考えたのが、今回の議論の発端でした。フロアでの議論で至った結論は「AIは私たちが真に期待する成果にはまだ到達できない」というものでした。
 CUDBAS開発者の森先生は、2ヶ月に及ぶAIとの対話実験を共有されました。AIが生成するCUDBASチャートは、能力カードの最大値が100枚、仕事カードが10枚程度に留まり、その内容や分析は浅く、的を射ないものだったそうです。最大の理由は、AIには「その仕事を必要とする背景」や「働く人々が置かれた条件」、「何のためにCUDBASを行うのか」という目標設定の感覚が欠如している点にあります。人間であれば、情報不足の際でも、自身の経験から「この状況ならこうだろう」と背景を解釈したり配慮することができます。参加者は自らの脳内で不足情報等を補完し、分析していることになります。
 また、CUDBASはメンバー間でワイワイ議論をして進めるところが魅力です。副次的効果として、社内の機運が上がったり、自分ごととして後輩や社員の人材育成に力を入れよう、と意識改革が生まれるところにCUDBASの真の魅力がある、という話も出されました。教育現場のCUDBASは、他者との議論の深まり、生みの苦しみ、自分の意見(カード)がCUDBAS成果物の一部を構成する喜びが魅力であり、AIの存在により、その重要な過程を経ないことが逆効果になってしまうことに悩む、という声もありました。もちろん、肯定的な活用例もあります。能力項目の文章校正の過程でAI利用が可能な能力に限って5段階評価の基準や条件を与えて精度を高めたり、膨大な国際ガイドラインを読み込ませてCUDBAS成果物と対比させたりといった「整理・補完」の役割では、AIは強力な助っ人となります。成長過程のAIとはいえ、人間が仕事を身体で感覚的に学んできたプロセスを獲得するための条件はまだ、整っていません。AI分析によって生成された「洗練された言葉を紡いだ結果」は、実は世界の誰かが、長年自分の頭で考え分析しつくした結果をウェブサイトのどこかに掲載したものをもとに、それらが転用されていることも意識する必要があります。それらしく読める美しい文章は、時にまるで真実でないことを真実のように並べられている点も注意しておく必要があります。
 生み出されたCUDBASの成果物が本当に使えるように、判断・決断し、責任をとれる存在は、やはり人間のみであった。その価値は、これからもっと深く噛みしめる必要があるようにも感じた議論でした。

(討議者:久米)
 藤田さんの提起を読み、改めて「AIをどのステップで、誰が、何の目的で使うのか」を整理する必要性を感じました。紹介された事例のほかに、過去に共有された事例では、能力カード分類のステップでAI活用を試みられていました。ただし、「その道のベテラン」たちがAIの出した結果を正しく精査できるという条件を満たした場合に限り有効であったとのことです。私としては、CUDBASが「打合せをする」から始まることが特長だと考えています。教育CUDBAS、途上国での訓練コース開発CUDBAS、企業CUDBASそれぞれの「打合せメモ=プロファイリングシート」作成のプロセスに要点があると思っています。「対面CUDBAS」の優位性はAI活用の有無に関わらず高いです。対面だからワイワイできますね。オンラインだと1人ずつしか声が聞き取れませんし、この魅力はCUDBAS的だと感じました。CUDBASもAIの急速な普及と成長に併行して進化すべき時だと痛感していますし、この議論を継続することで、その進化を後押し(じゃなくて牽引)できないものかと期待しています。

(討議者:西村)
 オンラインCUDBASは、たしかに省資源、効率化には都合いいです。ただ合意形成の共有過程の実感が持ちづらいとは思います。CUDBASでは、メンバーにへそまがりがいたとしても「納得いくまで議論して」責任を取らせるということが必要だと思います。効率重視の視点からは「時間の無駄」に見えるかもしれませんが、教育的には、個性を発揮させ、自律と協働を促すことが重要と思います。相反する両面価値の能力が同じ机上に出た場合は、二枚とも入れればよいということができると思います。しかし、そのことでいうと、オンラインやAIのCUDBASでは、それら(の丁寧な議論)が埋没してしまうという批判はできるかもしれません。

(提起者:藤田)
 貴重な視点をありがとうございます。人間同士の対話により、その職業の価値が掘り起こされていくことの重みを再認識しました。CUDBASの魅力を大切にしながら、AIという新しいツールとの賢い付き合い方を探っていきたいと思います。

(CUDBASファシリテータ)




 最近、国際協力関連の仕事でカンボジアに行く機会が増えました。カンボジアと聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。特殊詐欺の拠点や隣国タイとの国境問題など、日本の報道を見る限り、あまり良いイメージを持たない方がいるかもしれません。しかし、実際に行ってみると印象は大きく変わります。街には活気があり、人々は明るく、とても魅力的な国です。世界遺産アンコールワットもあります。仏教国ということもあってか、初めて来たのにどこか懐かしい、そんな不思議な感覚になります。今回は、現地で感じた日常の様子や、日本との意外なつながりについて触れてみたいと思います。

活気あふれる通勤通学時間帯
 出張者にとって、以前は移動時のハードルだった現地運転手との値段交渉は、今ではほとんど不要になっています。スマートフォンの配車アプリで目的地を入力すれば、近くにいるトゥクトゥクがすぐにやってきます。料金は事前に確定し、クレジットカードで決済されるため、行き先を伝える必要もありません。極端な話、何も話さなくても目的地に到着できます。とはいえ、せっかくの現地渡航ですからドライバーとの会話を楽しみます。気持ちよく乗れたときには、ドライバーの評判が良くなるよう、アプリの五つ星をつけてあげます。中には「五つ星をつけてね」と念押ししてくるドライバーもいます。                        トゥクトゥク
 街にはバイクもあふれています。社会人だけでなく、高校生(時には中学生?)も自分のバイクで通学しています。ヘルメットには日本の人気キャラクターのステッカーが貼られており、どこか親近感が湧きます。 交差点付近には、リヤカーを改造した弁当屋が並び、ライダーやドライバーを待ち構えています。信号待ちの間にバイクにまたがったままサッと購入する様子は、まるでモータースポーツのピット作業のようです。また、路線バスも走っています。バス停はありますが時刻表はなく、その代わりに走行状況を確認できるアプリがあります。タイミングを見計らってバス停に行けば、ほとんど待つことなく乗車できます。料金はどこまで行っても1500リエル(約60円)です。車内では運転手チョイスのラジオが流れ、乗客が運転手と仲良くお喋りをしています。こちらがカンボジア人でないことがわかるとすぐに話しかけてきて、ワイワイ盛り上がっているうちに、あっという間に目的地に到着です。地元に溶け込んだ感覚を味わうには路線バスが一番です。

日本では習わなかった、カンボジアとの関係
 カンボジアは、内戦やポル・ポト時代という困難な歴史を経て、国際協力のもとで復興・発展してきた国です。現在は経済特区の整備も進み、日本企業を含む多くの海外企業が進出しています。今後、後発開発途上国からの卒業も控えています。ある日、現地のカウンターパートからこんな質問を受けました。 「日本は、なぜカンボジアを助けているか知っている?」ありきたりな回答をしたところ、「あかんな、日本人として」と言いながら、笑顔で歴史を教えてくれました。歴史の授業では聞いたことのない話だったので調べてみると、カンボジアは第二次世界大戦後、日本への賠償請求権を放棄した国の一つであり、さらに戦後の食糧不足の際には日本にコメを送ったということです。こうした関係を背景に、両国の間では経済・技術協力に関する協定が結ばれ、その後の継続的な支援につながったとのことです。また、カンボジアの500リエル紙幣には、日本の支援で建設された「きずな橋」と「つばさ橋」、そして日本の国旗が描かれています。そこには、両国の関係の深さが象徴されているように感じられます。

 現地での経験を通じて、カンボジアは単なる支援対象国ではなく、長い歴史の中で関係を築いてきたパートナーであることを改めて実感しています。世界が不安定な時代だからこそ、こうした関係性を踏まえた関わり方が、これまで以上に重要になってくるのではないかと感じています。

(職業教育開発協会 理事)




 職業教育で成果が上がらない、成果が見えないという悩みはありませんか?クドバスは教育のさまざまな場面に役立つ効果的なツールです。
 このセミナーではクドバスとは何か、クドバスがどのように役立つのか、クドバスの学び方についてご紹介します。
 クドバスについて知りたい方に最適なセミナーです。お近くに受講していない方がいらっしゃいましたら、お誘いの上、ご参加ください。

プログラム
1. クドバスとは、その概要
2. クドバス成果物の紹介
  能力マップ、クリニカルラダー、
  クドバスチャート、人材育成計画など
3. クドバスの特徴
4. クドバスの歴史、適用実績
5. クドバスの学び方
6. 職業教育開発協会ご案内
7. クドバス活用事例紹介
8. 質疑応答

受講料:5,000円(税込) ※配布テキストの代金を含みます

講師:久米篤憲(職業教育開発協会 代表理事)

お申込みについて:
セミナーチラシの「お申込みに際しての注意事項」「お問合せ・申込み先」をご確認・了承ください。
申込書に必要事項をご記入の上、 協会事業部 までお送りください。














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