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CUDBAS(クドバス)とは

初めてクドバスと出会う方へのイントロダクション



クドバス手法とは何か、何ができるか

 CUDBASは、A Method of Curriculum Development Based on Vocational Ability Structure (職業能力の構造に基づくカリキュラム開発手法)の略称である。職業教育で養成しようとする人物の能力を書き出し、それらを構造的に整理し、有効なカリキュラムを開発しようとしている。CUDBASの適用は短期間研修カリキュラムでも、大学のような長期間教育のカリキュラム開発にも可能である。
 カリキュラム開発の手法として開発したものであるが、この他の用途にも広く利用できる。漠然としている概念や、考え方、理念などを整理し、構造化することが可能である。このことから、クドバスは発想法として利用されることが多くなった。一方、クドバスはカリキュラムの要である目標設定を行うので、この機能を人材評価や機関評価、施設評価に適用することに使用している。

   


CUDBASの歴史

 1990年に開発した手法である。1989年、労働省を中心に、PROTSという指導技術訓練システムの開発に着手した。これは海外で技術指導にあたる指導者のための指導技術訓練システムを開発しようとしたものである。この際にシステム開発委員会の座長を依頼され、その骨格となる数々の手法をも開発した。委員会では全13巻、117時間にわたるセミナーに必要な機材・資材・指導教材を4年間で開発した。その一部にクドバスがある。セミナーは各地で好評を博し、世界20カ国以上で採用され、展開している。中でもクドバスは日本の企業内教育で人気になり、現在でも各地で実践されている。 当初に開発されたCUDBASと現在のCUDBASはかなりの違いがある。カードで職業に必要な能力項目を書き出すのは同じであるが、各方面のニーズに応えて、あるいは手法上の問題点を解消するために改良が数次にわたって行われている。CUDBASマニュアルというものは無かったが、現在では4つのマニュアル(1st Stage,2nd Stage,3rd Stage,4th Stage)を公開している。使用言語は日本語、英語、スペイン語、中国語、マレー語のマニュアルがある。2011年、マレーシアではCUDBASのプロモーションビデオも製作された。

     


世界での活用実績

 マレーシア、ボリビア、グアテマラ共和国では国として取り組んでいる。このほかの国々では主にJICA国際協力機構を通じて専門家が活用し、普及している。民間ベースでは韓国能率協会コンサルティングが技能伝承活動としてセミナー、コンサル活動を展開している。インターネットで「CUDBAS」を検索するとスペイン語、英語で多数ヒットする。






CUDBAS手法の適用職種

 インターネットで、CUDBASの活用状況を見ることができる。適用している職業能力開発範囲は極めて広い。特に、2000年以降はPROTS指導技術という範疇から出て、一層の広がりをもたらした。これらの成果は、CUDBASがどのような職業でも適用が可能なことを示している。



CUDBAS作業の実際

 図はCUDBAS作業の進め方のフローチャートである。ステップは9からなる。ステップに入る前に作業に関わるメンバーの選出と依頼がある。メンバーは最適な人材を指名しておく。作業の所要時間はCUDBASチャート作成までで3時間、年間教育計画作成・評価計画まで含めると5時間程度となる。この図ではこれが省略されている。ステップ1と2は準備段階である。ステップ1で場所と資材を準備し、ステップ2でCUDBASのルールを共有する。次にステップ3で、はじめの打ち合わせをする。この内容はA4用紙1枚程度にまとめておく(イメージの共有)。ステップ4ではメンバーが個々に30枚程度を目標にカードを書く(イメージの細分化・文章化)。ここまでが終わったら、記載する速度に個人差が生ずるので、休憩をとって時間調整とする。



 次のステップ5〜8は小集団活動によるカードの並べ替え作業となる。活発な討議もこの中には含まれている。ステップ5はカードの分類作業である。カードの類似性・関連性に注目して分類していく。ステップ6では能力カードについて重要度判断をしながら序列化する。さらに、重要度をA、B、Cの3レベルで判定し、カードに書き込む。ステップ7は仕事カードの重要度判定による序列化作業である。仕事カード間の相対的な判定でよい。この時にはじめの打ち合わせでまとめたA4用紙をもう一度見直して、これに基づいて議論しながら並べ替える。この時点で仕事カードに序列番号、能力カードにカード番号の全てが記載できる。この番号が入ったら、ステップ8の模造紙に貼り付ける。このようにして全てのカードがマトリクスとして整理されてCUDBASチャートが完成した。
 ステップ9では年間教育計画表にこれらを並べていくことになる。職場の行事、仕事の流れなどを考慮しながら、わかりやすく、教えやすい配列を時間軸で整理していく。また、評価方法とその時期などについても予め決めておけば教育がしやすい。このようにして作業を完了する。
 CUDBASニュアルは読みながら進めるように簡潔明快に記載してある。基本的にはこのマニュアルの記述してある範囲で作業ができる。


CUDBAS手法の特徴

短時間でできる
手続きがシンプルで簡単である
小集団による意思決定による
第一人者であれば説得力がある
記録が残る→改訂、再編に役立つ
応用範囲が広い
仕事分析の方法として効率的である




クドバスチャートは仕事と能力のマトリクス

 クドバスによって作成するものは「クドバスチャート」と呼ばれる一枚の表である。これは仕事と能力のマトリクスを示している。下の図のように左端に縦に仕事が並ぶ。横軸は能力項目である。左側の一つの仕事は右側の能力の集合で表す。仕事番号1番の「チェックイン・チェックアウト、会計をする」は右側の「1-1 チェックインの手続きができる」から始まって「1-18 プレCHER/予約確認票、クーポン等の内容を知っている」まで18項目の能力から構成されている。この18項目の能力を保有できれば、この1番の仕事は遂行できると考えている。18項目の番号の小さいほどその仕事にとって重要度が高いことを示している。同様にして、その職業人にとって、仕事番号が小さいほど重要度が高いことを表している。
 このようにクドバスチャートは一人の職業人に必要な仕事の全てと、それを構成する能力項目の全てが表現されている。能力開発の実施にあたっての目標設定はクドバスで簡単に得ることができる。




能力マップの実例

 クドバスを使うと一人の職業人の仕事と能力項目の全貌がつかめる。これを使って作業者の現状を把握できれば、どれだけ能力開発を推進すればよいかが見えてくる。この際に役立つのが能力マップである。
 能力マップとは横軸に社員、作業者などの名前を、縦軸に能力項目を列記した表に保有能力を5段階表示したものである。図のように表すとこの職場の弱み強みが明らかになる。図の黄色が一人前で作業ができることを意味している。2と1は誰かの手助けがないと作業ができないことを意味している。4と5は優れた作業ができる人である。
 右端には平均値が示されている。この色が赤色の場合は強みとなる能力項目を示している。青色の場合には弱みを示している。人材育成、能力開発を行うときはこの青色の部分を行えばより効率的な能力開発ができる。さらに表の上に行くほど重要な能力項目であることから、上の項目で、かつ青色の能力項目を優先的に能力開発すると効果が大きいことを示している。
 このシンプルな表があれば、教育計画は妥当性のある、最適なものとすることが可能になる。




CUDBAS手法の活用事例

専門的職業人が保有する技術・技能の評価
ウイークポイントの検索
新規事業の立ち上げ可能性についての能力面からの検証
職業人の現状把握と経営戦略への立案
教育計画の立案、教育システムの確立
継続教育マニュアルの作成
OJTマニュアルの作成
テキスト、教材の開発に活用
主任、職制教育のツールとして実施
人事考課への活用、処遇の決定
人事配置・プロジェクト担当チームの編成
問題解決手法への適用、発想法としての応用・・など




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