SAT 技術・技能分析手法
ベテランや熟練者の持っている技術・技能をまるごと記述する方法が
SAT 技術・技能分析手法(Skill Analysis for Training)です。
学習者が学習しやすいように熟練者のものの見方、考え方、動作、カン・コツを表現します。
従来はオペレータレベルの技術・技能を対象にした方法がありましたが、
このレベルをはるかに超えた技術・技能レベルを分析できます。
この手法は次の6つの内容で構成しています。
第1は作業の全体をつかませることです。
最終的にどのようになればよいかを示すことは学習者にとって目標設定ができ、
計画的に学習を行うことができます。
作業の目的や進め方の全貌、期待される成果などを明確に示します。
作業の意味、意義、目的、標準作業時間などのアウトラインを明確に示すとよいものができます。
第2は作業環境をつかんでもらうことです。
これによって、作業条件が変わっても対応できるようになります。
道具や工具、材料、設備・環境、作業者に求められる能力要件も記載します。
また、どの程度の能力をあらかじめ持っていなければならないかを書いておきます。
第3は工程別分析を進める上で、そのステップわけの大きさが重視されています。
細かく分けるのではなく、比較的大きな単位の分け方をねらいます。
分け方が大きすぎてその作業の意味がとれないのも学習しにくいものです。
適切な大きさを考えて分けると良いものができます。
第4は各ステップのポイントをわかりやすく示すことです。
ベテランの行動を的確に示していきます。
したがって、場合によっては科学的な説明や、数量化したデータ、判断ポイント、
運動の表現などを書いて行きます。
第5は作業を総括的にまとめ上げることです。
ひと言でいえば何か、本質は何か、ポイントは何かをまとめて書きます。
第6は学習者が自らの作業を評価出来るように判断基準や評価ポイントを示します。
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技能分析表
SAT技術・技能分析手法で分析した結果を学習者が学習しやすいように整理した表です。
類似のものに「作業分解票」「作業手順書」などがありますが、
技能分析表はこれをさらに発展させたものです。
技能分析表の記載例「半田付け技能」