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CUDBAS とは何か

A Method of CUrriculum Development Based on Vocational Ability Structure
2011/11/1


森 和夫
Kazuo MORI

Laboratory of Skill & Technology Education




1. CUDBASとは■

 CUDBASは、A Method of Curriculum Development Based on Vocational Ability Structure の略称である。職業教育で養成しようとする人物の能力を書き出し、それらを構造的に整理し、有効なカリキュラムを開発しようとしている。CUDBASの適用は短期間研修カリキュラムでも、大学のような長期間教育のカリキュラム開発にも可能である。
 カリキュラム開発の手法として開発したものであるが、この他の用途にも広く利用できる。漠然としている概念や、考え方、理念などを整理し、構造化することが可能である。このことから、クドバスは発想法として利用されることが多くなった。一方、クドバスはカリキュラムの要である目標設定を行うので、この機能を人材評価や機関評価、施設評価に適用することに使用している。
 職業教育カリキュラムの方法には次の5つの方法に分けられる。

@ カリキュラム基準を設定して標準カリキュラムを示し、これに準拠して施設毎に具体的カリキュラムを編成する方法
A 仕事の観察、作業分析によって必要な能力項目を抽出し、これをもとにカリキュラム内容を整理する方法
B 「糊とはさみ法」と呼ばれるように、社会に存在する既存のカリキュラムを集めて、それらを組み合わせる方法
C 教育の目標を分析して要素に仕分けて、それぞれをカリキュラムの内容とする方法、いわゆる目標分析による方法
D 教育の最終仕上がり像に必要な能力項目を分析的に記述して、カリキュラム内容とする方法

 これらの方法はそれぞれに特色がある。今日のように変化の激しい時代に合った適切なカリキュラム開発にはDの方法がふさわしい。@Aは開発に時間がかかり、Bは妥当な開発にはならず、Cは小さな作業のカリキュラムには良いが他は困難である。CUDBASはDに属するもので、最適最短でカリキュラム開発を進めることができる。後述するDACUMもこの分類に入る。CUDBASはカリキュラム開発手法の中でも合理的な進め方を持っており、しかも開発時間が少なくできると言う特色があると言える。


2. CUDBASは開発の経緯と背景■

 クドバス(CUDBAS)は1990年に筆者が開発した。1989年、海外職業訓練協会では、労働省の依頼を受けて指導技術訓練システムの開発に着手した。これは海外で技術指導にあたる指導者のための指導技術訓練システムを開発しようとしたものである。プロッツ(PROTS)Progressive Training System for Instructor という技術者を指導者に育てる教育システムである。このシステムでは技術教育の指導者として必要な6領域13科目を設定している。CUDBASは「B2 :訓練プログラム編成の方法」に入っている。PROTSセミナーは海外の途上国を中心に好評となり、世界各地で採用され、展開している。CUDBASは製造業を主とする日本の企業内教育で多く使われ、役立てられている。CUDBASは今日までに、多くの改訂が行われており、原型のままで使われることは少ない。「指導技術」という範疇から脱却して役立つ「カリキュラム開発ツール」「職務分析手法」「発想法」へと変化したのである。職場の技術・技能の状況を示す「技術・技能マップ」としてCUDBASの活用が一般的になっている。一方、病院においては看護師の能力開発に役立つ「クリニカルラダー」作成の方法としてクローズアップされている。
 CUDBAS開発にあたって、カリキュラム開発手法のモデルとされたのはカナダ雇用・移民省のDACUM(Developing a Curriculum)である。この方法は当時、ILO、APSDEPが導入して各国に普及しようとしていた。具体的にはアメリカのオハイオ州立大学にある職業教育研究所が、DACUMのテキストやハンドブック、教材を開発し販売していた。この方法は主に会議によってカリキュラムを開発する。座長が進行させ、10人程度のメンバーが参加して進められる。B4用紙に意見をまとめて壁に貼りだしていくのである。仕事と能力・資質のマトリクスであるDACUMチャートをまず作成する。ここまでに4日間程度の時間がかかる。この完成したDACUMチャートをもとにカリキュラム開発に入る。
 DACUMマニュアルはこのチャート作成までが克明に記載されており、それ以降の作業は事例があるだけであった。また、DACUMチャートは重要度という考え方は無く、配列も工程順のように時系列で配置している。大規模な取り組みになる上に、時間もかかるが、業界や教育界の専門家を集めて、早期に良質のカリキュラムを開発できるこの方法は優れたカリキュラム開発手法と言うことができる。従来は、「糊とハサミ法」のように、漠然とした目標をもとに、漠然としたカリキュラムを設定していたが、DACUM手法では最終仕上がり像を分析検討することで仕事と能力・資質のマトリクスにまとめて、目に見える形としたことは評価できよう。




3. 企業の教育にCUDBASが役立つ理由■

 企業は日々、状況の変化に囲まれている。社員の教育はそれらの変化に応えていかなければならない。従来の教育のやり方ではそれらに追従するのに時間がかかりすぎ、しかも妥当な内容になっているとはいいがたい。企業の教育こそ常に時代、環境、技術革新を反映した教育にならなければならないと考える。
 CUDBASが企業の教育で実践されてきたのには理由がある。
 その第1は短時間にカリキュラム開発ができることである。CUDBASはこれに十分応えることができる唯一の方法と考えている。CUDBASは何よりもこの点が評価されたからであると考えられる。CUDBASはコンビニエンスストアのように、いつでも、どこでも、誰でも実践できるといって良い。CUDBASのために特別の教育は不要である。もしも、確かな展開をさせようとする場合には、CUDBASセミナーに参加すればよい。これも1日あれば十分である。この背景にはCUDBAS作業がシンプルで理解しやすいことがある。
 第2は企業規模、特性に応じたカリキュラム開発ができることである。つまり、個別対応ができることである。公共訓練施設では基準を作成して、これを適用したカリキュラムを編成する方式がとられているが、これは必ずしも現場の作業や環境に合わせて作られているものではないために基準と現実との間に大きな隔たりがある。このため、指導にあたっては、基準で示された項目を教育期間の中に適切に組み入れることになる。この作業自体が困難なものとしてクローズアップすることになる。どの時期に何を指導するか、誰が適任者か、基準の全ての内容を網羅できるか・・など教育を具体化するには多くの問題がある。これをスムースにCUDBAS作業をしながら、その日のうちに結果が出ることは魅力的であろう。また、企業活動の内容や、独自の企業文化を考慮したカリキュラムが開発できる。
 第3に実用性に優れることがあげられる。換言すれば、CUDBASによるカリキュラムの実践性がOJTになじみやすいことである。一つ一つの能力項目、能力カードが目標設定となっているために、その内容を習得したかどうかの判定がセットになっている。日常のOJTの中に組み入れやすい。実際に指導し、学習させる際にこの目標設定とその評価基準が明確になっていることは役立つ。能力項目自体が自己完結するように記載されていることは、それ単体での教育として見ることも、関連内容で見ることも可能としていることである。つまり、目標管理をしやすくする効果がある。
 第4にカリキュラム作成者が当事者によることだ。カリキュラム開発は当事者が集まって行うことが望ましいが、一般にそのように行われないことが多い。カリキュラム開発に関心はあるが事前にその方法を学習しないとできないと言うことも障害となっている。CUDBASでは仕上がり像に対する意見や見解を持ち、内容を知っているものであれば誰でもカリキュラム開発に参加できることである。CUDBASはこの作業を通して、共通の目標である「社員像」の実現について立場を越えて議論し、見解をまとめ上げていくところに醍醐味がある。従って、結果・成果もそうではあるが、作業のプロセスにこそ意義があるとする見方もある。
 このようにカリキュラム開発が身近な存在として、いつもあるということが、職業教育カリキュラムの開発に活用される理由であり、CUDBASの生命線でもある。


4. CUDBASの基本的原理■

(1) 仕上がり像の明確化
 教育計画は仕上がり像を明確化することからはじまる。まず出口を議論するのである。一般に教育訓練や能力開発において成果が確認できないことが多い。なぜなら、到達すべき人物像が明確になっていないことに起因する。教育の結果、最終的にどのような人物に養成しようとしているかが明らかでなければ、内容も方法も計画のしようがなく、さらに評価も出来ない。教育の成立にはいくつかの備えていなければならない条件がある。そのひとつが最終仕上がり像である。これは到達目標と言ってよい。この到達目標を設定できればその道筋を立てることができる。道筋はカリキュラムと呼び、方法という。目標に合った内容と方法で展開し、評価を行う。評価は到達目標に到達できたかどうかで判断する。あらゆる場面で最終仕上がり像が使用される。
 仕上がり像としての人物は研修の結果、[職能@]〜[職能n]が獲得される。通常、ひとりの人物は10〜14程度の職能で構成される。職能は仕事とも呼ばれる。一つの職能には4〜20程度の数の「職務に必要な能力」と「職務を支える考え方と態度」で構成している。前者は実践的な能力(技能)と、知的な能力(知識・理解)で構成し、後者は職業的態度で構成する。職能は知識だけでは成り立たないし、技能だけでも成り立たない。従って、一つの職能には技能と知識が必ず含まれる。態度は無い場合もあり得る。

(2) ひとりブレーンストーミングによるカード書き
 CUDBASでは、はじめの打ち合わせの後に、メンバーのひとりひとりがマイペースで、黙々とカード書きをする。いわばひとりブレーンストーミングである。ひとりで自問自答しながら書いていく。他のメンバーとの重複は気にしないで、思いつくままに記載する。このカード書きが品質の決め手になる。どれだけ多方面から記載したか、どれだけ必要な能力を明快に表現したか・・などである。通常2〜3行の文章で書く。細かく記載しても意味が無く、単語でも困る。明確に記載するには「条件、基準、行動」を含めるとよい。例えば、「どんなときにどの程度どうする」というように記載する。知識は「・・・を知っている」、技能は「・・・ができる」、態度は「・・・の態度がとれる」という語尾で書いていく。

(3) 小集団活動によるマトリクス作成
 CUDBAS作業の大半は小集団活動による仕事と能力のマトリクスづくりになる。このプロセスは重要な討論が欠かせない。この過程を通じて、能力項目の記載内容が明瞭になり、それに関する記載が正しいかどうか、妥当かどうかが判明する。記載内容が不明瞭な場合にはその場で修正し、より良い記載に改訂される。大きくは仕事の重要度の判定、能力項目の重要度の判定の2つである。小集団活動には座長や進行役、司会、リーダーの類は不要である。自由に議論しながら分類し、順序づけしていく。このような作業での障害は声の大きいメンバーに引きずられてしまうことである。メンバーの自由な発想を潰してしまうおそれがあるからだ。

(4) 討議による年間教育計画作成プロセス
 マトリクスを構成しているカードを時系列に並べ直す作業である。臨床研修のように期間が限られている場合は、その期間に合わせて判断する。理想的に必要な時間をまず割り出してから、現実の時間に置き換えて指導方法や、場面を工夫するという考え方が必要になる。期間が限られていない場合にはその教育を完結するために必要な時間が期間となるので問題は少ない。指導医による年間教育計画作成となるので、事情に精通した現実的な計画となる。会議を開催してこの詰めを行うとするとかなりの会議時間が必要となるであろう。

5. CUDBASの発想法■

 CUDBASの発想は幾つかの根幹をなすポリシーから生まれている。第1はReal発想である。現実的に日常の姿から普遍のものを生み出すのである。第2はCombine発想だ。行く地下の物を組み合わせて1+1は5以上の内容に仕上げることだ。第3は独創の発想である。独創的にカードを書き出し、組み合わせ、並べる。いつもが新しいことをねらう。そして、第4に合理性の発想だ。必ずつじつまの合うラインを見つけ出すように進められる。

Real発想
* 下からの発想
* 現実からの発想
* 日常からの発想
* 具体からの発想
* 実践からの発想
* 現場からの発想
Combine発想
* 能力の集合体から仕事へ
* 仕事の集合で人材へ
* 1+1=5
* 能力の集合で科目へ
* 組み合わせで省時間・最大効果
* バラエティの豊かさで最大効果を生む
独創発想
* ひねり出す
* 創作・創造の世界
合理性発想
* 証拠主義
* なぜ、どうしてに答えられる合理性
* わかりやすい論理プロファイルシートの記載

6. CUDBAS作業の進め方の概要■

 図はCUDBAS作業の進め方のフローチャートである。ステップは9からなる。ステップに入る前に作業に関わるメンバーの選出と依頼がある。メンバーは最適な人材を指名しておく。作業の所要時間はCUDBASチャート作成までで3時間、年間教育計画作成・評価計画まで含めると5時間程度となる。臨床研修指導医講習会では発表・講評などを入れて6〜7時間程度を設定している。この図ではこれが省略されている。ステップ1と2は準備段階である。ステップ1で場所と資材を準備し、ステップ2でCUDBASのルールを共有する。次にステップ3で、はじめの打ち合わせをする。研修医の状況、病院の課題、医師として必要なこと、指導医の状況、診療科ローテーションの仕方などを議論する。この内容はA4用紙1枚程度にまとめておく(イメージの共有)。ステップ4ではメンバーが個々に30枚程度を目標にカードを書く(イメージの細分化・文章化)。ここまでが終わったら、記載する速度に個人差が生ずるので、休憩をとって時間調整とする。



 次のステップ5〜8は小集団活動によるカードの並べ替え作業となる。活発な討議もこの中には含まれている。ステップ5はカードの分類作業である。カードの類似性・関連性に注目して分類していく。ステップ6では能力カードについて重要度判断をしながら序列化する。さらに、重要度をA、B、Cの3レベルで判定し、カードに書き込む。ステップ7は仕事カードの重要度判定による序列化作業である。仕事カード間の相対的な判定でよい。この時にはじめの打ち合わせでまとめたA4用紙をもう一度見直して、これに基づいて議論しながら並べ替える。この時点で仕事カードに序列番号、能力カードにカード番号の全てが記載できる。この番号が入ったら、ステップ8の模造紙に貼り付ける。このようにして全てのカードがマトリクスとして整理されてCUDBASチャートが完成した。
 ステップ9では年間教育計画表にこれらを並べていくことになる。病院の行事、仕事の流れなどを考慮しながら、わかりやすく、教えやすい配列を時間軸で整理していく。また、評価方法とその時期などについても予め決めておけば教育がしやすい。このようにして作業を完了する。
 CUDBASマニュアルは読みながら進めるように簡潔明快に記載してある。基本的にはこのマニュアルの記述してある範囲で作業ができる。

7. CUDBASの活用の現状と評価■

 CUDBASは開発されてから各方面で利用されてきた。CUDBAS活用の第1はCUDBASで行うオーソドックスな成果を利用するものである。専門学校カリキュラムの開発、企業内研修プログラムの設定、大学他の教育機関でのカリキュラム開発、病院や教育機関、福祉施設などの施設評価リストの作成などがあげられる。第2はCUDBASで得られるプロダクツを加工して利用するものである。仕事分析がISO認証の筋道に合致することもある。現在、無い仕事でも良く、これから行おうとする未知の仕事分析にも役立つことから使われている。例えば、看護師の能力開発に欠かせないクリニカルラダーの開発、研修テキスト・教材の開発、OJTマニュアル作成、継続教育計画の立案、教育体系の確立、人事考課・人材の処遇、職場の能力マップの作成、職能等級表の作成、人事配置・プロジェクト担当者の人選、新規の事業戦略立案、教育センターの施設設計、教育機材の整備計画の作成等があげられる。第3はCUDBAS作業のプロセスそのものを利用するものである。例えば、問題解決手法として活用、研修で体験することで自らの仕事のとらえ直しに利用するなどがある。
 ここではいくつかの活用例について紹介する。

(1) クリニカルラダーへの適用
 クリニカルラダーは看護師の能力開発で用いられているシステムである。これは看護師の人材像を4段階程度に分けて設定し、評価結果に基づいて研修などを計画する。今日、クリニカルラダーではいくつかの問題を抱えている。個々の病院の状況に対応させたクリニカルラダーが設定できずに実践を阻んでいる。また、ラダー項目の表記の仕方が抽象的で評価が難しいことも挙げられる。ラダー項目に、業務や仕事内容を反映していないことが根本にはある。これらの問題はCUDBASを適用することで解決がつく。
 クリニカルラダー作成の意義は、@個々の看護師が目標とする到達水準を明らかにする、A自らの職業生涯を設計し作り上げる指標とする、B看護師の得意・不得意、習得・未習得の状況を把握する、Cひとりひとりがキャリア開発を通して学習への意欲と、希望につなげる、D実情に応じた教育研修の企画をたてる、E教育研修の成果確認として妥当性、信頼性のある評価方法となるなどである。CUDBASの考え方はクリニカルラダーと整合性があると言えよう。
 このCUDBASチャートから「ラダー評価リスト」を作成する。評価は5段階でするようにしている。評価基準は「5 :十分にできるし、詳しく知っている。工夫や改善、指導もできる」、「4 :かなり良くでき、良く知っている。」、「3 :誰の支援がなくても、自分ひとりでできる」、「2 :あまり知らないし、できないが支援があればできる」、「1 :自分一人では全くできない」の5段階評価で行う。
 これを使って、自己評価をさせ、さらに上司評価をして一覧表を作る。図2-9は評価結果の例である。個々の能力項目についての要求水準を設定し、これとの比較でどの項目が弱みで、どの項目が強みであるかが判明する。このようにして得たデータから当面の教育計画が策定できる。また、看護師個々の目標管理を設定することができる。

(2)技術・技能マップへの適用
 クリニカルラダーで紹介したようにして作業を進め、個人ごとのデータを入力して一覧表にしたものが技術・技能マップである。企業ではこの技術・技能マップを活用した人材育成の取り組みが行われている。特にISO認証との関連で、必需となっている。図2-10はこの例を示している。この図は縦に見ていけば個人別の能力保有状況が把握できる。また、横に見ていけば、能力項目ごとの能力保有状況がわかる。表計算ソフトに入力しておけば、平均値も標準偏差も計算ができ、さらにグラフとして示すことができる。この図から誰が誰にいつまでに教育すればよいかを明瞭に示すことができる。

(3)施設機能評価への適用
 これまでに紹介したCUDBASの適用の例は、人ばかりでなく、施設や機関、部署ごとの評価リスト作成にも適用できる。病院の機能評価や福祉施設の機能評価に適用している例もある。病院全体で作成して、病棟ごとの機能がどの水準にあるかを判定するにも役に立つ。マップとして一覧にすれば、どう対処すべきかが明らかになる。効果的な使い方といえよう。

(4)問題解決手法としての活用
 CUDBAS手法はイメージを言語化する作業であることから、発想法として活用されることも多い。漠然としている内容をカードに置き換えながら固定していく作業である。「病院の理念」、「病院のあるべき姿」といったようなテーマで実施すればよい。このような例は多くの事業所、組織などで行われている。リスクマネジメントの一環として、現状はどうなっているか、何が問題か、取り組むべき方向は何か・・・とテーマをシフトさせていけば求める解決の糸口が整理できる。この時に重要度の判定するのではなく、優先度、寄与度などの設定でも良い。これらは解決すべき課題、テーマによって設定すればよい。
 このように、さまざまな仕事分野、領域での活用が考えられるが、これは創意工夫によってより広がることだろう。CUDBAS手法に対する評価は概ね良好である。特に、@仕事分析が早くできる、A手続きがシンプルである、B小集団による意志決定であるため独断が排除できる、C作成者が第1人者であれば権威がある、C全てのプロセスが記録に残る、Dこまめな改訂や変更に対応できる、E活用範囲が広いという評価がある。
 今後は、CUDBAS成果の品質を向上させ、一層の活用範囲の拡大につながる取り組みによって、より妥当な手法に組上げていくことが求められている。

8.CUDBASの特徴と活用■

CUDBASの特徴
* 早くできる
* 手続きがシンプルで簡単である
* 小集団による意思決定による
* 第一人者であれば説得力がある
* 記録が残る
* 応用範囲が広い
* 仕事分析の方法として並ぶものがない

CUDBASの活用の例
* 専門的職業人が保有する技術・技能の評価
* ウイークポイントの検索
* 新規事業の立ち上げ可能性についての能力面からの検証
* 職業人の現状把握と経営戦略への立案
* 教育計画の立案、教育システムの確立
* 継続教育マニュアルの作成
* OJTマニュアルの作成
* テキスト、教材の開発に活用
* 主任、職制教育のツールとして実施
* 人事考課への活用、処遇の決定
* 人事配置・プロジェクト担当チームの編成
* 問題解決手法への適用、発想法としての応用・・

9.CUDBASの適用実績■

○機械・金属製造 機械製造、金型製造、溶接、精密機械組み立て、自動車製造、自動車部品製造、飛行機製造、鉄道車輌製造、造船、船舶設計、金属精錬・製造、鉄鋼、ロール製造、管材製造
○食品・飲料製造 菓子製造、麺製造、食用油製造、日本酒製造、焼酎製造、その他醸造、ビール・ウイスキー製造、清涼飲料製造、乳製品製造
○建設、家屋製造、プラント建設、塗装、インテリア施工、電気機器製造、電子機器製造、電力供給、原子力発電、縫製・染め、衣料品製造、医薬品製造、医療用品製造 、ガラス製造、楽器製造、印刷物製造、電池製造、石油精製、製紙、分析、箱製造
○保全作業者、設備保全、プラントメンテナンス、研究員、商品企画、研究マネージャー、栽培、養殖
大学職員、大学教員、短大教員、職業訓練指導員、保育士、アスレチック指導員、医師、看護師、看護部長、看護師長、臨床研修医、歯科衛生士、歯科衛生士、介護士、ケアマネージャー、保健所職員、リハビリテーション指導者
○スーパーマーケット従業員、ホテル・レストラン ホテル従業員、レストラン、調理、ウエイター、大量調理、美容師、エステティシャン
○運輸・物流 運送、物流、労働安全管理者、中小企業診断士、コンサルタント


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